11月上旬に自転車の転倒で左足首を痛め、それがなかなか治らず、足首をかばいながら歩いていたので、今度は左膝を痛めました(12月中旬)。
その後に、会社内でインフルエンザがはやり、私も例外なくかかり(インフル一歩手前)、1週間ダウン。未だに咳が残っています。
そんな感じで、2週間くらい自転車の乗れていない!というわけで、体を冷やさないように日本橋→永代通り→荒川CR→葛西臨海公園という往復24キロのショートコースを走ってきました。
今日のお供は、Canyon Ultimate CF SLX(2010)です。もう久しぶりのチャリンコで最高に気持ちが良くニヤケながら走ってしまいました。
2011モデル発表前の2010ファイナルセール+円高をうまく利用して、CF SLX 2010モデルのトップモデルを選んで良かったです。全パーツが手を抜いていないので、私の様にコンポをいろいろ変えたくなる性分には完全に向いています。手を抜いていないので変える必要がないのです。グループセットは、Campagnolo Super Record (2009/2010)、ホイールはクリンチャー+アルミリムホイールとして超軽量級のMavic R-Sys SLです。ハンドルやサドルも重量面で見て、ほぼ最軽量なので変えるところがありません。
さて、Dura-Ace(7900系)を搭載しているLitespeed Archon C2と毎回乗り換えていますが、最初あまりに軽い車体でピーキーだったCanyonに妙に違和感を感じていたのですが、1000キロ以上走ってきて、やはり乗り心地は最高な気がしてきました。車体が6kg前半ということもあり何とも軽く、羽が生えたような軽さと乗り心地で走りに喜びがあふれます。軽量厨ではありませんが、やはり自転車の車体重量が軽いのは自転車の性能(特に加速面において)重要だと思っています。
ちなみにDura Aceとカンパ上位3グループセットの質量比較などは、別記事で少し取り扱っています:Campagnolo Record 2011 onto LITESPEED Archon C2
さて、軽量以外にCanyonが快適というか”乗りたい”、”乗っていて楽しい”と思うのは、Campagnoloのグループセットだと個人的に思っています。こんなロードバイクを始めたばかりの素人でも、Campagnoloはすごい、というか官能的で魅力的なグループセットだと思います。日本人にありがちなイタリアへの憧れと言われればそれまでなのですが、これは使ってみないと分からない魅力だと思います。カンパ(=カンパニョーロ)の魅力は、まずは見た目の美しさです。これは、ファッションならイタリアブランド、車ならフェラーリ、スピーカーならソナス・ファヴェール、ヴァイオリンならストラディヴァリ・・に通じる美しさです。クランクの美しさ、エルゴパワーのカーボンレバーの曲線美など、とにかく綺麗なデザインをしていると思います。隣にDura-Aceがありますから、シマノさんには申し訳ありませんが、相手になっておりません。Dura-Aceはその中でも綺麗な方だと思うのですが、やはり根本のデザインセンスが違うと思います。
次にカーボンクランクセットの気持ちよい柔らかさです。これは、Super Recordのみクランクセットにも搭載しているCULTベアリングによる回転の軽さもあるかと思うのですが、カーボンの絶妙な柔らかさって漕いでいて本当に心地よいです。決して弱いわけではなく、脚力トルクを堅さで跳ね返すDura-Aceに対して、なんとも言えない包み込む様な感じがあるんですよね。まさに、剛のDuraAceに対して、柔のSuperRecordという感じです。どちらも悪いわけじゃなく、個人的な好みでSuper Recordのカーボンクランクの弱くはない柔らかさが実に気持ちが良いと思っています。私は使ったことがありませんが、Chorus, Record, Super Recordはクランク自体はUltra-Torqueでほとんど同じ構造の様なので、同じ体感になるんではないですかね。CULTがその柔らかさの一端を担っているかはわかりません。
さて最も紹介したいのは、やはりエルゴパワー(Ergopower Controls)だと思います。下に写真を載せておきます。クリックすると拡大できます。
いわゆるカンパニョーロの、ブレーキレバー+シフトレバーの両機能を担う部分がエルゴパワーです。もうこれが素晴らしすぎます。
2枚目の写真にあるようにハンドルの真ん中に向けて少し曲がっています。そしてこのヘッド部のサイズも小さめです。この形、サイズが握っていてとても握りやすいのです。Dura AceのSTIは、ヘッドのサイズが(体の小さい日本人が設計しているにも関わらず)でかすぎるのです。新105のSTIは小さくなりましたので、7900系Duraの時は小さくできなかったんですかね。経緯は良くわかりません。このエルゴパワーとDura STIを比較すると握りやすさが違いすぎて快適さがぜんぜん違います。特に指をしっかりと回してハンドルを掴み、ダンシングしているときなど本当に握りやすくて楽しいです。
次にシフトフィーリングです。変速性能、特にフロントの入りやすさはシマノの方が上だと思います。リアは特別違いを感じません。フロントも2011モデルからX.P.S.S.をカンパが導入しているので改善しているかもしれませんね。ただ、ほぼ完璧な変速性能に近づいているシマノにはおそらく敵わないと思います。しかし、変速速度ではなく、変速レバーの押し心地がとても官能的なのです。緩衝材のプチプチや、すごくデザインの良いエレベーターのボタンなど、見ただけで押したくなるボタンとかってありますよね。ああいう感じがエルゴパワーのシフトレバーにはあり、平坦巡航で暇な時にシフトしたくなる楽しさがあります。特にUltra-Shiftによる上げ3段、下げ5段があるのでこれが最高に気持ちが良い。カンパでは基本推奨されていないアウター+ロー(最大のたすき掛け)状態で信号を待ちをして、加速スタートするときに、下げ5段は楽しくて仕方がありません。これはシマノにはない感動です。
図らずも、ちょうどDura-AceとSuper Recordの2台揃っているため比較できて楽しいです。シマノは日本製品だけあって、極めて堅実です。しっかりと堅く、信頼性があり、シフトも(特にフロント)速く、確実です。ブレーキもしっかりと効き、コストパフォーマンスも優れていると思います。日本人らしいまじめさが随所に現れている製品だと思います。全く持ってすばらしい製品だと思います。カンパは、なんでしょうね・・。人間的な”ふまじめさ”がある製品という感じでしょうか。文章では表現できず乗ってみて分かる事だと思いますし、それが一部だととしても、”自分はカンパの魅力を知ってしまった感”という、なんともくだらないですが優越感があります(笑)。おそらく100キロ程度走っただけでは、その官能美がわからないと思います。またカンパだけ乗っていてもわからないのかもしれません。そういう意味では絶対的な機能美というより、シマノと比べての比較なのかもしれませんが、少なくとも個人的にはカンパ好きというベタな展開になってきました。
中学・高校時代はMTBをハマりまくっていました。当時はカンパもMTBにグループセットを供給しており、自転車雑誌をみては、なんか美しいな(けど高い)という印象でした。カンパはMTBから撤退し、まさか15年後にロードバイクにハマりカンパを使えることになるとは思ってもいませんでした。今後カンパがどの方向に進むのか、これだけ変化のめまぐるしい世の中ですから予想が付きませんが、現時点でカンパの魅力を感じられたのは良かったと思っています。Canyonの超軽量で高性能なフレームも含め、とても快適なロードバイクです。2011年も楽しんで乗っていこうと思っています。