2011/05/30: 追加:関連記事を投稿しました。TREK Madone 6 Series SSL フレームセット重量
********* 本文は以下より *********
LITESPEED Archon C2からフレームを交換することになりました。LITESPEEDはBB回りに問題があり補修・補強修理中(カーボン専用業者)です。
BB30 -> 標準BBにシェルをロックタイト+圧入埋め込みで補修も含め問題なさそうなので、外されていて保管されていたDuraAceを付けて、知人にかなり良い条件でドナドナして行きます。
新フレームセットは、TREK Madone 6 Series SSL (Frameset)にしました。正直言って、このフレームの決定は速攻で決まり、むしろ他の候補を選ばない理由を、いろいろ考えた次第です。
まずMadone 6 SSLを選んだ一番の理由は、アンディ・シュレック、フランク・シュレック、ファビアン・カンチェラーラなどが所属するチームLEOPARD TREKの影響です(ミーハー)。LEOPARD TREKは、ルクセンブルグのプロ・サイクリングチームですが、ご存じない方向けに解説すると、非常に優秀な選手が揃っておりチーム総合力でトップクラスを備えるチームです。まぁ、言ってみれば今年のツール・ド・フランスで、落車なり何かトラブルが多発しない限り、最終日に一番先頭で走っているはずのチームだと思っています。
今回フレームを選ぶ時にせっかくならその年に一番速くツール・ド・フランスを駆け抜けるフレームに乗ってみたい!というどうしようもない単純な理由でした。
Driven: Episode 1. LEOPARD TREK, Fast Faster Fastest (是非Youtubeに飛んでHDで!)
さて、Madone6とMadone SSLの違いですが、SSLの方はOCLV HexSLという新しいカーボン素材を使い、塗装も新しいものを使っているとのこと(カタログによると)。フレーム+塗装の変化で100g減になっているようです。HexSLは航空宇宙で使われている素材ということで、我々宇宙工学の世界では有名な・・と言いたいところですが、HexSLという名前だけでは聞いたことないんですよね。どちらにしても、旧来のOCLV2で使っているカーボンに比べ、振動吸収性、強度に優れているとのことです。ちょっとURLを失ってしまったのですが、海外のインタビューサイトでは、SSLにより素材を変えて強度・剛性を上げたわけではなく、Madone6と同じ剛性・強度を選るのに素材を少なくすることができたので軽量化につながったと書いてありました。なるほど、FEM解析をしていれば、Trekにおける各部に必要剛性・強度は数値で出ているわけであり、その数値を満たす最低限のカーボン素材量で良いってわけです(サイトを見つけたらまた掲載します。英語サイトでした)。他にもフォークの先っぽ(ステムでクランプするところ)までSSLはカーボン化するなど細部まで追求しているようです。
さて、他社で一瞬候補に挙がったのは以下の4フレーム。
・BMC impec:とてもかっこいいのですが、高価なのとフレームセット購入ができない様なので却下しました。最近のクラシックレースを見ているとBMCチームはジャージも含めかっこいいですね。
・S-Works Tarmac SL3:やはり去年のツール・ド・フランスを獲ったフレームは一瞬考えました。去年個人総合の1位のコンタドールと、2位のアンディ・シュレックが乗っていたわけですから性能的に見ればトップであることは間違いなしです。しかしMadoneに比べて(個人的なイメージで)レーシー過ぎて私のような趣味ライダーで乗るのはないかなと・・・。あとデザインが個人的にあまり好きではありません。また拝読させてもらっているタマルパ山通信さんなどのTarmacとMadoneの比較なども参考にさせていただき、Madoneにしました。
・S-Works VENGE:VENGEは春のクラシックレースに向けていきなり投入されましたよね。先日のミラノ・サンレモでデビュー日に優勝したバイクです。つまり、私がフレームを選んでいた2月上~中旬ではまだ情報が少なく予想できませんでした。マクラーレン(McLaren)と共同開発で空力を計算したらしく、魅力的なフレームではありますね。ただ、VENGEの情報があったとしてもMadoneにしたのかなと思います。今年のツール・ド・フランスでVENGEに負けて欲しくないです(笑)
・Time RXRS Ulteam:やはり候補にあがりました。RXRSのBlack Labelにカンパのグループセット+Boraをつけると私が知る限り最もかっこいい自転車(参考:Test Ride & ♪@fuk@サイクリング日和)だと思うのですが、皆さんのインプレを見ると、ちょっとTimeを選ぶのは躊躇しました。あと、全く問題はないのでしょうが、個人的にBB30は勘弁って感じです。
・Canyon Aeroad CF:さすがに2台ともCanyonはないかなと。逆に超お気に入りのCanyon Ultimate CF SLXとMadoneとの差を感じてみたかったというのがかなり大きな理由です。これ以上に素晴らしいチャリンコというのが存在するのか?という興味です。私がカンパ好きなのも、シマノDuraAceとの比較で個人的に差を感じて好きになったものですし。私は素人なので絶対的なインプレはできません。表現も難しいですし。しかし個人的な体感・体験としての比較はわかります。そういう意味で、Ultimate CF SLXとMadoneは今後どう差を感じるのか楽しみなところです。
色選びは相当に困難を極めました。Project Oneのシグネチャーカラー(Signature Color)で好きな色にカスタマイズするのも、それこそ何十種類も試して、あーでもない、こーでもないとしていましたが、最後は回り回って、セレクトカラー(Select Color)のWhite/Onyxになりました(笑)。ProjectOneで色を選びスクリーンキャプチャした画像にPhotoshopでBoraを画像合成して配色を確認するなどかなり悩みました。結果的にはちょうど1ヶ月で納品されたので、納期も速く(Signature Colorだと2~3ヶ月前後)良かったのかなと。実際に生で見ると塗装も相当に美しく、細かい曲線などのフレーム形状も綺麗でびっくり致しました。
ちなみに、LEOPARD TREKチームカラーを選ばなかったのは、単純です。チェーンステーにチームコンポスポンサーのSHIMANOの文字が・・・。Campagnoloユーザーの私はその文字は許せません(笑)というわけで、迷わず却下です。フレーム選択は上述の通りLEOPART TREKの影響ではありますが、さすがにチームカラーまで選ぶ勇気はありません。
またMadoneといえば、先日2回目の引退をされたランス・アームストロングさんの影響もありました(ニール・アームストロングじゃないですよ)。Madoneという名前は、アームストロングさんがよくトレーニングしていたという南仏にある”COL de la MADONE”という山の名前からとったそうです。そのアームストロングさんが所属していたTeam Radioshackも同じフレームを使っているのも1つの選択理由でした。
今回は、六本木ヒルズにあるトレックストア六本木で購入しました。店員さん皆さん大変丁寧に接してくれて、非常に親身に相談にのってもらいました。色選びに何度も待ってをかけたり(笑)、かなりいろいろな点でお世話になりました。Madone6はBB90というTrek独自のBBですが、ここにカンパのウルトラトルククランクを付けるのに、シール加工(行程)が必要です。BB30などいろいろBB回りには悩まされて経験してきましたが、BB90は扱ったことがなく、フレーム納品時にBB回り処理だけはストアにお任せしました。よってクランクだけ先にストアに渡しておいて付けてもらった上でフレームを電車で持ち帰ってきました。家に付いて、早速組み上げる前に記念撮影。
もううざいほど写真を載せておきます(クリックすると拡大)。Madoneの色選びで苦労したのは、Madoneの写真がネットで少なかった為です(ユーザーの多さに比べて)。真横からの写真ばかりで、色や塗装、表面状態、色々な方向の写真が少なく困りました。正直言ってCanyonの表面・塗装・下地状態とは比較にならないクオリティの高さです(アメリカのハンドメイドフレームです)。このあたりも含め今後Madoneを考えている人の参考になればと思い公開しました。
ここで1つ。フレームがどの国で製造されているから~~~なんとかだとかいうのをブログや2chなどで良く見かけますが、私は製造国は全く気にしていません。要するにそこの国で作っている人が、ちゃんと給料をもらってモチベーションを持って、フレーム製造という仕事にこだわりをもって作っているかに尽きると思います。今回のMadoneは米国手作りということですが、同じフレームの色違いの製作過程の動画がありました。
Building the Team RadioShack Trek Madone
今回のフレームサイズは56cmで(もちろんジオメトリの違いもありますが)、Canyon/Litespeedの58cmクラスから少し小さくしました。いつもこの2サイズの中間に股下が位置していて悩ましかったのですが。まぁ小さい方がフレームも軽くなって良いかなと。ジオメトリは、H2です。
黒は、拡大してみるとわかりますが少しラメっていまして、大変綺麗な塗装です。
SSLはフォークのSteerer部が非SSLとは異なり、ステムの種類を選ぶ様です。Ritcheyステムなどにしようかと考えていましたが、
この辺は安全を考えて、Bontrager Race XXX Light HCM Carbon Stemにしました。要するにSteerer部を線や点接点ではなく、面で抑えるような形状のステムなら問題なしとのことです。
Duotrapというフレームに埋め込むケイデンス・ホイールの回転数センサが付けられます。
ANT+に対応しているので、Gamin Edge800で取得できます。Garminのケイデンスセンサはフレームの上についてよく曲がったりしていたのでこれは素晴らしいです。
私としてははじめてのワイヤーが中を通るフレームです。Nokonのワイヤーを使いましたが、結構苦労しました(汗)
サドルは、フレームカラーにあわせて敢えて旧モデルのBontrager inForm RXL Saddle。サイズは骨盤を計測してサイズSを選択。
フレーム製造日と、私の注文番号などが貼ってあります。私が注文を入れたのは2/22。フレームの製造は2月上旬になっていました。
セレクトカラーなので前もって製造開始していたのを、私の注文を受けて割り当てられたのでしょうね。Signatureカラーだと、きっと注文後の生産になるんでしょう(勝手な予想)
BB90は超極太で、インナーチェーンリングの中にチェーンが落ちないんじゃないですかね・・・?そのくらい迫っています。
ハンドルバーは、3T ERGONOVA LTD。このハンドルは感動しました。上ハンと下ハンがカタカナの”ハ”の字型になっているんですよね。カンパのエルゴパワーの握りやすさと、この”ハ”の字形状は抜群で、ハンドル回りの握りやすさは格別です。ドロップ量も少なくて、お気楽ハンドルです。
Nokonは白を2つ購入したのですが、なんと途中の部分が”金色”と”黒色”で違う製品が届きました(色自体は白なんですが)。まぁ、気にせずアセンブリしました。
何せTrekのインナーワイヤーフレームがやや特殊でNokonの説明書の解説が整合がとれない。というわけで付属している数あるNokonの追加部品をいろいろ組み合わせて対応しました(これが最適解なのかはわかりませんが、とりあえず問題なく付きました)
あと毎回感じていたのですが、確定的に分かったのは、私がバーテープ巻きが死ぬほどヘタです。今回のバーテープ巻きも残念極まりない・・・。少し乗ってワイヤー引き回しなど完全に問題ないことが確認されたらまき直します。
さて重量ですが、写真の構成から”ペダルなし”で、”6.09kg”でした。ペダルを付けると6.29kgでした。6kg切りは実現しませんでした・・・。一方でMavic R-Sys SLならNoTubes(60cc = 60g)入りのBoraに比べて、もう少し軽いので6kg切りができるかもしれません。まぁ、このあたりは追求したら切りがないのですが・・・。きっと5年後は、個人でも5kg台は当たり前になっているのでしょうね。
これから走り倒してCanyonとの比較を試みます。
こんばんは。
Madoneかっこいいですね~、フレームの形状もペイントのクオリティも、すばらしいです。
サドルやホイールも含めたカラーのマッチング具合も、すばらしいです。
TREKのコンポはシマノかSRAMかの2択かと思ってましたが(勝手な思いこみです)、カンパでも全く問題ないというかカンパがバイクを上品な雰囲気にまとめあげてくれているような、これもすばらしいです。
乗ってもすばらしいんでしょうね~、Canyonとの比較を楽しみに待ってます。
それにしてもこの格好良さ、Canyonのコストパフォーマンスにも心惹かれてましたが、そういうものが全部どこかへすっ飛んでいくようなすばらしさです。
sさん
(以前Canyonの塗装でコメントを頂いた方ですね)お褒めのお言葉ありがとうございます!!^^)v
ホイールは相変わらず1本しかなく、コンポもLITESPEEDからの取り外しですので、自動的にカンパなのですが、やはりTREKとなるとShimano, SRAMの印象が強いですよね。
私が購入したトレックストア六本木でもカンパをつける客は今までにいなかったみたいです。
フレームのカラーをどれだけ迷ったかで1つの記事を書きたいくらいですが(笑)結局この色になるまでの紆余曲折っぷりは相当にありました。結果的にはBoraやサドルともマッチしていて良い感じです。唯一ステムのサイドのデカールを溶液つかって落としたいんですが・・・(笑
永久保証もいいですし、クラッシュリプレースメントで割引きありますし、何せ塗装の品の良さは流石手作り感もあり、同じエンジニアで物を作っている私からしても、良い物作りと感じます。やり尽くした感あるなと。
Canyonも本当に素晴らしいバイクですが、やはりメーカーが違えば全然乗り心地が違いますね。優越というより個性という感じです。Madoneに関してはもうちょっと乗って、素人の戯言インプレはかきたいと思います。素晴らしい事は間違いないという印象です。すすすすするっと前にさらっと出てしまう感じがあります。
すいません、質問なのですが、
>他にもフォークの先っぽ(ステムでクランプするところ)までSSLはカーボン化するなど細部まで追求しているようです。
>SSLはフォークが全てカーボンなので、ステムの種類を選ぶ様です。
とはどのような意味でしょうか。いわゆるカーボンコラムってことですか?
最近のカーボンバイクは大抵そうですよね。CANYONだってそのはず。
エンドはアルミのようですし、いたって普通のフォークに見えるのですが。
説明不足でした。
フォークのSteerer側です。確かに今はほとんどフルカーボンですが、店員さんの話によるとSSLはそのSteerer部が少し非SSLから変わったらしく、ステムとの結合を点・線接点だと割れる?などの問題があるらしく面接点が推奨とのこと。
つまり、ステム側の形状が面で押しつけるタイプのステムでないとSteerer部に良くないとのことです。
おそらくRitcheyのステムでも問題なかったのでしょうが、形状を直ぐに確認できなかったので、ボントレガーのXXXにしました。
回答ありがとうございます。
自分もトレックバイクが欲しいのですが、ボントレガーは使いたくないなぁと思っていたところでした。
参考にさせていただきます。
私もボントレガー苦手なんです。ステムのデカールは溶剤で消したいなと・・・。店員さんによると、Ritcheyのカーボンステムを使ってお客も過去に居たと話していました。確認は単純でお使いのステムのフォーク側の穴を除いて、中が円筒のように包まれた形状であればOKとのことです。締め上げた時にステムとフォークが面で接していればOKとのことです。
ボントのXXXは値段も高いですし、他社製を使うのも良いかと思います。
ちなみにフレームセットでも、アルミのステムは無料で付いてきます。
ありがとうございます。
ご存知でしょうけど、ブレーキフルードがいいらしいですよ。
http://tamalpais.heteml.jp/blog/?p=1339
そうですね。タマルパさんの記事を見て私もデカール抜こうかと(笑)
(トレック店員さんには申し訳ないですが・・)
また、Madone購入されましたら、写真などご紹介ください。
はじめまして、前々から拝見させて頂いていましたYuuki.Hと申します。
当方もmadone6を購入検討していたのですが、specilaized Vengeが海外でだいぶ安かったので
そちらを購入してしまいましたので、残念ながらmadoneは購入には至りませんでした。
しかし記事中のフレームやduotrapを見ていると、無理だとは分かっていても購入を妄想してしまいます。。。
最近ではBMC SLR01も購入されたようでうらやましい限りですが、今後も興味深い記事を
楽しみにみさせて頂きたいと思います。
Yuuki.Hさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
なんとまぁこんな素人の拙いブログに足を運んでくださったようでありがとうございます。
アクセス数も酷いもので、ほとんど自己満足で書いておりますが励みになります!
Vengeを海外購入ですか!羨ましい。かっこいいですよね。Shivも含め2011はS-works活躍しまくりの暴れまくりでしたよね。性能良いのでしょうね・・・。ブログや写真などアップされていたら教えてください。
Vengeはエアロフレームなので、ヒルクライム用に是非Madoneも!同じく海外でゲットできれば、日本よりも随分安いのでは!?
こちらこそよろしくおねがいします